【固執・執着・断念・見切】を使った文章例
■固執し執着して、断念していけば良し
固執:自分の意見などをあくまで主張し続けること。
執着:ある物や事について強く惹かれ、深く思い込んでどうしても忘れきれないこと。
断念:思いきること。あきらめること。
固執や執着は人間である以上、仕方がないのかもしれません。どのようにして断念していくか、どう捨てるか、が課題です。
■往生際と引き際と諦めが悪いのは後ろを向いている
往生際も引き際も悪い人は、大抵の場合において後ろ向きです。前に未来が見えていないので過去にしがみつくしかありません。過去に固執せず、しっかりと前を向いて歩いていきましょう。
■執着すればするほど拗(こじ)れていく
積み重ねてきたものを崩すのは、辛いかもしれません。誰しも執着したくなるものですが、しかしそこはあっさりといくべきです。仕事も恋も粘着質は拗れて上手くいかないのが、世の常です。「竹を割った」かのごとくまいりましょう。
【固執・執着・断念・見切】に使える慣用句・ことわざ
■見切り千両、損切り万両(みきりせんりょう、そんきりまんりょう)
株式用語で、含み損(買った時より価格が下落して発生した損失)を早めに見切る事は千両に値する、損切りは万両に値するという教訓。
「いつまでも固執せず断念した方が良いです。見切り千両、損切り万両です。」
■見切りを付ける(みきりをつける)
見込みがないと判断して諦めること。
「どうにもならぬ事はさっさと見切りを付けましょう。」
■断腸の思い(だんちょうのおもい)
腸(はらわた)が千切れるほど辛く苦しい思い。そうやって断念することで新たな道が開けます。
「断腸の思いですが、次に向かって進みましょう。」
■匙を投げる(さじをなげる)
諦めること。漢方医が治療方法が見つからず、薬を調合する匙を投げ出したことに由来する。断念し諦めることも大切です。
「匙を投げて気持ちを新たに参りましょう。」
■後ろ髪を引かれる(うしろがみをひかれる)
心が残り未練がましく執着し断念出来ないこと。
「後ろ髪をひかれますが、断念しましょう。」
【固執・執着・断念・見切】に使える四字熟語
■意馬心猿(いばしんえん)
執着心が強いが故に心が乱れていること。意馬も心猿も、心が静まらない、落ち着かないといった意味。⇔雲煙過眼
「意馬心猿の思いですが、次があります。」
■雲煙過眼(うんえんかがん)
物事への執着が淡泊なこと。⇔意馬心猿
「さすがに雲煙過眼になって、どうでもよい気持ちになります。」
■純真無垢(じゅんしんむく)
欲望や執着がなく、純粋で清らかなこと。
「純真無垢な気持ちで頑張りましょう。」
■無欲恬淡(むよくてんたん)
無欲で執着もなく、あっさりしていること。
「無欲恬淡にいきましょう。次があります。」
■行雲流水(こううんりゅうすい)
執着せずに自然の流れに任せること。
「固執せずに行雲流水のごとく流れに乗っておきましょう。」
【固執・執着・断念・見切】に使える偉人の言葉
■自分が変わるには、自らの愚かさをあざ笑うことだ。そうすれば見切りをつけ、前進することができるのだ。 スペンサー・ジョンソン(アメリカの医学博士・心理学者)
いつまでも固執せずに見切りを付けてさっさと前に進んでいきましょう。必ず固執していた以上の物が現れます。
■芸術に決して完成ということはない。途中で見切りをつけたものがあるだけだ。 レオナルド・ダ・ヴィンチ(イタリアルネサンスの芸術家)
人生にも同じことが言えますね。完成形になかなか到達しませんので、結局は見切りを付けた事になってしまいます。しかしその時その時の最高点に達していれば良しとしましょう。
■私は固執しない。それは執着だからだ。執着は罪である。心を乱す源である。 釈迦(仏教の開祖)
心が乱れるから周りが見えず、さらに固執する。
■苦しみは、欲望や執着を持つから生まれるのである。苦しみから解放されるには、欲望や執着を断つことである。 釈迦(仏教の開祖)
普通の人間には難しい所業(しょぎょう:ふるまい、行い)ですが、出来るだけ欲望や執着を捨てることで、余計な苦しみから解放されます。
■私たちが抱いている煩悩が欲望を生み、欲望が執着を生み、執着が苦を生みます。私たちの苦しみのほとんどの原因は、煩悩から生まれる欲望や執着なのです。 瀬戸内寂聴(小説家・天台宗尼僧)
煩悩とは人間の苦の原因とされるものです。「貪(とん):むさぼり求める心」、「瞋(じん):怒りや恨み」、「痴(ちん):迷いや惑い」などがあります。つまり、これらに執着することをやめれば良い訳ですね。
■永遠の愛も、平和も、衣食住の快楽も、手に入れたと思ったときから、それを失う怖れという苦が始まります。人は執着する心から逃れられなくなるのです。 瀬戸内寂聴(小説家・天台宗尼僧)
手に入れたものに執着したくなるのが人間の性(さが)です。次へ次へと進んで、後ろを振り向かないことです。
■人間、生をうけた以上どうせ死ぬのだから、やりたいことをやってざっくばらんに生き、しかるのち、諸々の欲に執着せずに枯れ、そして死んでいくべき、という考え方だ。 本田宗一郎(本田技研工業創業者)
名誉やお金に執着せずに、自分の生きたいように生きてみると、案外人生楽しいものかもしれませんね。
■忘れてはいけない。偉大な人間になって何か立派なことを創造しようと思ったら、多くの事を断念することが出来なくてはならないということを。 ヘルマン・ヘッセ(ドイツの詩人・小説家)
あれも欲しいこれも欲しいと言ってたら、何も手に入らない、ということです。断念するべきところを即切り捨てることです。
■人生とは面白いものです。何かひとつ手放したら、それよりずっと良いものがやって来るものです。 サミュエル・ジョンソン(イギリスの文学者)
様々なことに固執して執着していると、そこから何も新しいことが生まれません。要らないものは要らない、と割り切っていきましょう。
■動物は、一度ある方法で成功すると、その方法にいつまでも固執する傾向がある。 渋谷昌三(しぶやしょうぞう:社会心理学者、エッセイスト)
そりゃ当り前のことですね。しかし、そこから一歩、執着心を捨て新たな道へ進むと、もっと良いことが待っているかもしれません。
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